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2018年6月、新たな民間奨学金としてキーエンス財団が設立されました。

設立者は世界的精密機器メーカーである(株)キーエンス。
月額8万円の返済不要の給付型奨学金を4年間支給するという手厚い支援内容です。
さらに、対象条件など制度の仕組みは、人物と現場を重視する民間企業ならではの利用者目線に立ったものとなっています。 ここでは、民間奨学金をめぐる状況を考えるとともに、キーエンス財団の“本当に必要とされる活きた奨学金”を取り上げたいと思います。

急速に広がっている民間の給付型奨学金

日本学生支援機構の調査によると、平成28年度時点で5,000を超える奨学金実施団体があることが報告されています。(平成28年度・奨学事業に関する実態調査)
実施団体の半数は大学などの学校が行っており、残りの半数が地方自治体や公益団体、医療機関や企業によるものです。 特に注目すべきが、公益団体が奨学金事業を創設するケースが急増している点です。先の調査では、平成25年度に386団体だったものが28年度には729団体と、わずか3年でほぼ倍増しているのです。

しかも、公益団体による奨学金制度の7割が返済不要の給付型であることもポイントです。 奨学金事業を行う公益団体では、民間企業やその創業者、一般の方々からの寄附金を事業原資としていることが多いので、ここからは便宜上“民間奨学金”と呼ぶことにします。 日本学生支援機構奨学金の返済負担問題が世間に広がるなか、給付型奨学金で意欲のある学生を支援しようとする民間の動きが広がっているのでしょう。 返済不要の給付型というのは大きな魅力ですが、民間奨学金が抱える課題もあります。

応募条件を限定する
事が多い民間奨学金

前述の調査結果を見ても、民間奨学金団体が増えているのは事実です。
しかしながら、経済支援のチャンスが広がっていることが実感できる学生は、そう多くはいないはずです。
その理由が、民間奨学金の運営方法にあると考えます。

「どのような学生が支援対象となるのか・・・」
これは、奨学金事業団体と学生側の双方にとって、気になる第一のポイントです。

多くの民間奨学金では対象大学を指定しています。
そのため、結果的に一部の有名大学に募集枠が集中し、大多数の対象外の学生にとっては全く関係のない話となっています。

奨学金の返済支援に
注目し始めた民間の取り組み

2018年夏、大和証券グループでは、若手社員の奨学金返済支援制度を立ち上げ、そのことが複数のメディアでも取り上げられました。
同様の取り組みは、一部の企業で数年前から見られましたが、奨学金の返済問題が広く世間に知られるようになった表れだと思います。

現在、就職戦線では、空前の売り手市場が続いており、多くの企業では人材確保が最重要テーマとなっています。
そこで、人材の獲得と若手社員の定着のために、奨学金支援に目を向ける企業の動きが広がりつつあります。

企業による奨学金支援の方法は2つのパターンに分かれます。

1学生時代に奨学金を貸与し、当該企業に就職することで返済を免除する

2日本学生支援機構など貸与型奨学金を抱える社員の返済の一部を肩代わりする

これらの支援制度を受けるには、当該企業への就職が前提となっています。
学生自身が目指す業種であれば企業選択の要素となるでしょうし、学生と企業の互いのメリットが合致する話です。
しかし、そうでない場合は、むしろ学生の選択肢を狭め、ミスマッチを生んでしまうことにつながりかねません。

奨学金制度を設ける側の立場からすると、当然その目的があるので、ある意味仕方のないことだと思いますし、民間奨学金の抱えるジレンマとも言えます。 そういった課題をクリアし、意欲のある学生に広くチャンスを届けようと設立されたのが「キーエンス財団」です。

4年間で384万円を給付するキーエンス財団奨学金
www.keyence-foundation.or.jp

それでは、キーエンス財団奨学金の内容を見てみましょう。

奨学金の種類 返済不要の給付型
給付額 月額8万円(年額96万円)
給付期間 4年間(合計384万円)
対象 4年制大学の新入生(全学部対象)

ポイント1
手厚い支援内容

月額8万円(年96万円)の奨学金は返済不要の給付型です。 しかも、4年間支給が原則となっているので合計384万円もの奨学金が給付されます。 国公立や私立文系の学生にとってはもちろんですが、学費が高額な理工系の私立大生にとっては大きな励みになるでしょう。

ポイント2
特定の大学を指定せずにオープンに募集

キーエンス財団の最大の特長といえるのが、特定の大学を指定せずにオープンに募集している点です。
大学だけでなく、学部系統も指定していないので、意欲のある大学生に広く門戸が開かれています。

ポイント3
就職など、卒業後の進路を制限する条件は無し

キーエンス財団では、卒業後の進路を限定するなどの条件が一切ありません。 その理由が人物本位の採用方針を掲げる(株)キーエンスの社風に通じているのが興味深い点です。
例えば、キーエンス財団の奨学生が、同業他社に就職することもあり得るのです。

ポイント4
希望者はキーエンス財団に直接応募

キーエンス財団では、在籍する高校や大学を通すのではなく、財団への直接応募となっているので、窓口側の事情に左右されることなく自分の意志でチャレンジできます。
経済的に厳しいが頑張って学びたいという意欲があるならば、是非応募してみてはどうでしょうか。

キーエンス財団
事務局インタビュー

“本当に必要とされる活きた奨学金”を創設した㈱キーエンスという企業そのものに興味が沸いたこともあり、設立の経緯などを財団事務局に伺いました。

財団を設立したきっかけは?

事務局:設立者である(株)キーエンスは、生産現場の自動化や効率化につながるセンサ・制御機器の開発・製造・販売を手掛けておりまして、現在、世界45ヶ国200拠点にて事業を展開しております。
本業での社会貢献ということでは、おかげさまで創業より順調に業績を拡大させていただいておりますので、また別の形で貢献ができないかと考えまして、奨学金財団の設立に至りました。

ご存知のように、日本の奨学金はほとんどが貸与型であり、他の先進国と比べて学生への支援環境が不十分と考えられます。 そこで、未来を担う意欲のある若者を支援すべきとの思いから返済不要の奨学金の給付を行う財団を設立しました。

非常に手厚い支援内容だと思いますが

事務局:奨学金の創設にあたり様々な他の制度を調べた結果、卒業まで安心して学業に専念していただける環境をご提示するのが、学生の方への支援として最適であると判断いたしまして、大学入学から卒業までの4年間を月額8万円の給付型奨学金で支援する内容で始めることにしました。

指定大学や就職などの制限がなく、
オープンな応募条件としたのは?

事務局:大学進学率が上昇する一方、格差が広がっている現代社会では、高額な学費負担は多くの学生にあてはまる問題です。 そのため、応募の段階で対象を絞り込むのではなく、オープンに広く門戸を開くべきだと考えました。同様に、奨学生には卒業後、自由に羽ばたいて欲しいと思います。

キーエンス財団の奨学生に
期待するものは?

事務局:私どもは返済不要の給付型奨学金を通して、奨学生に安心して学べる環境を提供することが責務だと考えています。 キーエンス財団に採用された大学生には、自信を持って学業に臨み、自身の夢を叶えて欲しいと思います。 そして将来、それぞれが目指す分野で社会に貢献して欲しいと願っています。

キーエンス財団ホームページ »

取材・文=奨学金アドバイザー 久米忠史

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