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トヨタ自動車を知らない人はいないでしょう。 連結で30万人以上の従業員を抱える日本を代表する世界的企業です。 そのトヨタ自動車とグループ企業が支援母体となり、理工系女性エンジニアの育成を支援するための財団「トヨタ女性技術者育成基金」を設けています。 トヨタグループが、いまなぜ女性エンジニア育成をめざすのか、どのような支援内容なのか、興味がそそられる同基金の取り組みを事務局に取材しました。

久米忠史(取材・文)
一般財団法人トヨタ女性技術者育成基金 事務局長:堂山岳之さん、事務局主任:太田寛さん
2020年1月15日(情報更新)

トヨタ女性技術者育成基金が設立されたきっかけ、基金を支援するグループ会社は?

ものづくりは日本にとっての基幹産業です。このものづくりを支える人材育成は、これからの日本の将来のためにもトヨタにとっても欠かすことのできない重要なテーマです。 一方、現在「女性活躍推進法(2015年成立)」が施行され、あらゆる職場で女性が活躍しやすい環境づくり、働き方が求められており、様々な取り組みがなされています。 このような環境のなか、より多くの女性がものづくりに興味を持ち、エンジニアとして将来の日本のものづくりを支えていくという社会に、トヨタグループとして少しでも貢献したいという思いから2014年に当基金を設立しました。

基金の運営にあたっては、資金面のみならず、各種プログラムへのご協力や情報提供など、製造系のトヨタグループ会社のうち9社から支援をいただいています。
<基金支援企業>

● (株)豊田自動織機● 愛知製鋼(株)● (株)ジェイテクト●トヨタ車体(株)● アイシン精機(株)● トヨタ紡織(株) ● (株)豊田中央研究所● 豊田合成(株)● トヨタ自動車(株)

基金の具体的な取り組みを聞かせてください

大学生を対象とした「奨学支援」と、中高生を対象とした「理系キャリア紹介」を2本の柱として活動しています。 奨学支援では、理工系学部に在籍する大学、大学院の女子学生を対象として「奨学給付プログラム」と「育成プログラム」を提供し、学生生活をサポートしています。 理系キャリア紹介では、主に高校生を対象として、理工系に興味を持っていただくために、現役の女性エンジニアを高校に派遣する「高校出前講座」などを実施しています。

奨学生となる大学生と大学院生だけでなく、高校生にも機会を提供しているのですね。
昔よりも進路選択が多様になったいま、意義深い取り組みだと思います。

理系女子は徐々に増えてはきていますが、理工系学部ではまだまだ少数派で、従ってものづくり現場での女性エンジニアの数もまだ多くありません。 まずは一人でも多く、ものづくりの仕事っていいな、理工系に進もうかなと思う高校生のすそ野を広げることが大切だと考えていますので、実際に第一線で活躍している女性エンジニアから生の声を聞くことがきっかけとなり、ものづくりに興味を持ってもらえればありがたいと思っています。

奨学支援の「奨学給付」と「育成」の2つのプログラムの内容とは?

経済的支援となる「奨学給付プログラム」では、年間60万円を実質無利息で大学院卒業まで最長6年間貸与し、卒業後に一定の進路条件を満たすと、貸与額の全額または半額が返済免除となる形です。 また、ほとんどの奨学金では家庭の収入基準を設けることが一般的ですが、当基金では、収入基準を設けていないことに加え、奨学給付は不要だが育成プログラムには参加したいという方を受け入れることも特徴かと思います(奨学給付の希望制は2020年度奨学生から)。 理工系学部は、文系と比べて実験や実習が多いうえ、学年を追うごとに学習時間が増えてきます。そのため、奨学給付プログラムを通して学修環境の確保をお手伝いすることが大切だと考えています。

たしかにその通りだと思います。日々進化する技術系分野では、学ばなければならないことが多いですからね。では、「育成プログラム」はどのような内容でしょうか。

理工系の女子学生は、大学のなかでも人数が少ないので、情報収集には苦労することも多いと聞いています。また、エンジニアの職場では男性が多いのが実態で、女性が実際にどのような仕事をしていて、女性が持つ悩みをどう克服しているのかなど、イメージがつきづらいかもしれません。そこで、「リケジョの未来CAMP」を開催し、同じ悩みを持つ全国の奨学生との交流を通じて人的ネットワークを広げるとともに、トヨタグループの様々な現役女性エンジニアとの交流により、ものづくりの現場、仕事の楽しさや苦労、大学の勉強と仕事、仕事とプライベートのバランスなど、リアルな情報に触れ、素朴な疑問に答えられる機会を提供しています。

さらに、当基金支援企業が実施するインターンシップやワークショップなどの各種情報も適宜提供しています。

奨学給付プログラムも意義深いですが、個人的には「育成プログラム」に非常に魅力を感じます。

今社会ではこれまで以上のスピードで変化が起きており、自動車業界は100年に一度の大変革期にあると言われています。自動車からモビリティへ、これまでにないスピードで、これまでにない技術で、これまでにない発想で、柔軟に社会の変化に対応する、変化を先取りする必要があります。トヨタグループ各社では常にこのようなことを意識し日々課題に取り組んでいますが、エンジニアの仕事もどんどん多種多様になり、リケジョの皆さんが活躍するフィールドも限りなく大きいということを、このプログラムを通じて感じていただければと思っています。

知識や情報もそうですが、学生の立場からすると、このような機会を通じてそれぞれの悩みを相談できる友人を作ることができるでしょうし、現役の先輩エンジニアからは、仕事のやりがいに加え、家庭と仕事の両立など、最近いわれる「ワーク・ライフ・バランス」の実践例も聞くことができるでしょう。

育成プログラムが、ものづくりの仕事を理解するだけでなく、自分に合ったキャリア、将来設計を具体的にイメージしていく一助になるものと思います。

取材するまでは、トヨタグループの奨学基金だとハードルの高いものでは? と思っていました。しかし、じっくりと話を伺うと、ものづくりに対する真摯さ、女性を応援する細やかな取り組みが行われていることが理解できました。そこで、トヨタ女性技術者育成基金の支援内容を整理してみます。

トヨタ女性技術者育成基金「奨学給付プログラム」

奨学金の種類 実質無利息での貸与
支給額 年間60万円(最大360万円)
支給期間 最長6年間(大学4年間+大学院2年間)
応募対象
(2020年度~)
理工系分野の女子学生
大学1年生から大学院1年生
返済免除制度 ①基金支援企業に入社すると全額免除
②他の製造業社に入社すると半額免除

注)それぞれ条件あり。 詳しくはトヨタ女性技術者育成基金の公式ホームページでご確認ください »

トヨタ女性技術者育成基金「育成プログラム」

リケジョの
未来CAMP
①全国の他大学の奨学生との交流
②トヨタグループの女性エンジニアから直接話を聞く機会
③これからのキャリアを考えるワークショップ
④トヨタグループ各社の最新のものづくり・事業・エンジニアの仕事を知る機会
各種情報提供 インターンシップやワークショップほか、基金支援企業各社の情報を随時提供

トヨタ女性技術者育成基金の目的は、ものづくりに興味があり、意欲のある学生を経済面、知識経験面でバックアップすることです。そのことで、女性エンジニアが生き生きと活躍できる環境づくりを目指しています。

そこで、実際に基金の支援をうけ、実社会で頑張っているお二人に話を聞いてみました。

すがのともこ さん
大阪府出身
岐阜大学・工学部卒
所属会社:トヨタ自動車(株)

もりやまゆうき さん
長崎県出身
長崎大学・工学部卒
所属会社:トヨタ車体(株)

トヨタ女性技術者育成基金を知ったきっかけと応募した理由は?

大学の奨学金の掲示板で知りましたが、大学生の段階でさまざまなイベントに参加できるという点に魅力を感じたので応募しました。

大学1年の5月ごろに、女性の教授からいただいた基金の案内チラシで知りました。大学入学以前からトヨタグループで働きたいと思っていましたし、イベントを通してエンジニアの仕事を深く知ることができると思い、応募しました。

トヨタ女性技術者育成基金の奨学生となって良かったことは?

イベントでは、ものづくりが好きで同じ夢を持つ学生が全国から集まり、多くの友人ができました。特に現役で活躍されている先輩社員の方々から直接お話を伺える機会が多く、業界やエンジニアの仕事について理解を深めることができ、就職活動でも大いに役立ちました。

私はリケジョ人脈を広げることができましたし、早い時期から具体的に仕事選びや就職活動をイメージでき、インターンシップにも役立ちました。また、基金の奨学金のおかげで個人的に行った、ドイツや欧州各国の自動車関連施設の見聞旅行も忘れられない思い出です。

どんなタイプの方にトヨタ女性技術者育成基金はオススメですか?

ものづくりに興味がある方。リケジョの友達が欲しい方におススメしたいです。

自動車好きの地方のリケジョ学生には特におススメです。 というのも、私自身が地方大学ということで情報や環境面でハンディを感じていましたが、基金の活動を通して業界の最新情報や生の声に触れることができるからです。

後輩の奨学生へのメッセージは?

将来のビジョンを早く明確にすること。 そして、社会に出て実感しているのが英語力の重要性です。 私の仕事では、話す、聞くだけでなく、日常的に海外の方とのメールのやり取りがあり、ビジネス英語のライティング力も求められます。

トヨタ女性技術者育成基金の活動を通して、リケジョ人脈は大きく広がります。 あと、学業はもちろん大切ですが、旅行やバイト、遊びなど、大学時代に色んな経験をして欲しいと思います。

すがのさん、もりやまさんに共通していたのが、真面目な性格と的確な言葉の使い方です。 これは理工系ならではと言えるかもしれませんが、同時にお二人からは明るさと人懐っこさも感じました。

また、将来の夢を聞くと、仕事と人生(結婚・出産)の両立というように、自分と未来の家族の幸せを考えていることが印象的でした。

最後に

急速に進む少子化による人口減少と高齢化社会・・・
AIをはじめとする産業構造の変化など、誰もが経験したことのない時代をこれから迎えます。

そのために必要不可欠なものがエンジニアの育成であり、女性の活躍です。 トヨタグループの強みを活かし、理工系女子学生をバックアップする「トヨタ女性技術者育成基金」に、意欲のあるリケジョ学生にはぜひエントリーをオススメします。

トヨタ女性技術者育成基金の詳細については、公式サイトをご覧ください。
トヨタ女性技術者育成基金 公式サイト »

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