奨学金なるほど!相談所

久米忠史の奨学金ブログ

2012年12月03日

インテリ層こそ、反省する謙虚さと勇気を持って欲しい

先月、広島、岡山への出張がありました。
岡山での仕事の際に、3時間ほど空き時間ができたので長島愛生園歴史館に行ってきました。

長島愛生園は日本で最初に設立された国立のハンセン病療養所です。
ハンセン病は「らい病」とも呼ばれ、戦後、患者の強制入所、就学禁止、断種手術の強制など、長らく人権を無視した隔離政策が国策として採られてきました。

映画やドラマにもなった松本清張原作の「砂の器」で、ハンセン病患者へのその時代の社会の差別意識を感じ取られた方も多いのではないでしょうか。僕も大学生の時にビデオで観て、何とも言えない暗い気持ちになったことを覚えています。

愛生園歴史館では様々な資料が展示されており、ハンセン病に対する偏見、差別、無知を通して「人間の尊厳」について考えさせられます。

特に心に残ったのが、ハンセン病差別を広げた責任を追及される分野として、「教育界、宗教界、マスメディア」など、いわゆる当時のインテリと言われる層が挙げられていることです。

その時々の権力に迎合し、被差別部落差別にお墨付きを与えた仏教界の愚かさ、仏門民度の低さは言うまでもありません。先日読んだ中世の貧民について書かれた本でも「らい」という言葉が頻繁に出てきますし、当時はらいの病を「法罰」と位置付けていたそうです。
あの世に地獄があるならば、そこで苦しむべきは坊主たち自身であるべきでしょう。

戦前の沖縄では皇民化教育のもと「方言禁止」運動が盛んになりアメリカ占領下時代まで続きました。学校で沖縄の言葉を使うと罰せられるのです。悲しいことですが、方言禁止運動に進んで協力した地元の教職員が多くいたのも事実のようです。

マスメディアのミスリードにつては数え上げたらキリがありませんよね(笑)。

所詮、人間が行なうものなので、間違いは絶対に起こります。
問題は、間違いが起こった時の謝罪、反省を始めとする対応の仕方だと思います。
また、トラブルが起こった時の対応にこそ、その組織、団体、機関の本質が見えてきます。

7月に発覚した滋賀県のいじめ自殺事件に対する教育委員長の呆れ返る言動や対応に怒りを覚えた人も多いでしょう。

特に教育界やマスメディアは社会に対して影響力の大きい特権分野です。
それだけに、真摯に間違いを認め反省する謙虚さと勇気を大切にして欲しいと願います。

カテゴリ:時々日記|日時:2012年12月03日11:26|コメント(0)

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久米忠史プロフィール

1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。

公式サイト「奨学金なるほど!相談所」

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