2021年11月30日
みなさま、こんにちは。沖縄県那覇市在住で奨学金アドバイザーの福井です。今回も久米さんのご厚意でブログに寄稿させていただきます。久米さんにはこの場をお借りして、感謝申し上げます。是非、ご一読をよろしくお願いいたします。私のHP:奨学金FP相談室
2022年4月に民法が改正され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。現在の高校3年生は、来年の4月1日に全員が「成人」になります。いろいろな事が本人の自己責任でできるようになりますが、代表的なものが「契約行為」です。よく言われているのがクレジットカードで、自分の責任で作成し使用できるようになります。
貸与型奨学金は「学生ローン」とも言われており、立派な金銭消費貸借契約です。あまりそのような意識がないかもしれませんが、進学届の後に出す「返還誓約書」がその書類に該当します。未成年者が契約する場合は親権者の同意がないと取り消しする権利が認められるので、連帯保証人や保証人をつけない機関保証を選択した場合でも、親権者欄は自筆による署名を求められます。
人的保証は連帯保証人や保証人をつけなければいけないので、その人たちの自筆による署名と実印の押印が引き続き求められるでしょう。しかし、機関保証を選択した場合はどうなるのでしょうか?大学進学後に申請する在学採用であれば、学生本人がひとりで申込し手続きを終えてしまうことが可能になるかもしれません。いずれにせよ、成人年齢が引き下げられることで、奨学金に関連する書類は親権者の取り扱いが大きく変わってくるはずです。
貸与型奨学金の総返還額は500万円を超えることもあります。成人年齢に到達する前後だからこそ、大学や専門学校への進学後の「資金」をどのように手当てするかは親子間・家族間でよく話し合って共有しておくことが大切です。例えば、「エンジニア志望の高校生は首都圏のこの大学・学部に進学したい!そして、将来の職業はモノづくりにかかわりたい」という感じです。親の立場からは「いくら教育資金があって進学にいくら出してあげられるのか」、具体的な数字を子どもに伝えることは必要です。もう大人ですから。
貸与型奨学金もそうですが、クレジットカードの作成・使用、投資、年金保険料の支払いなど、18歳~20歳くらいの若者は金融に関連する大きなイベントに相次いで直面します。他人から言われるからそうするのではなく、自分事(じぶんごと)として冷静に考えて理解し、自己責任において判断する。そして、それらを生活に役立てることが求められると思います。
貸与型奨学金においては、学生生活において真に借りるべき必要な資金はいくらか、自分がその投資に見合う学業を修められるか、そして卒業後に自分の求める仕事に就いてしっかりと返還していけるか、総合的な検討が求められます。また、その考察へのきっかけになるのは金融教育だと感じています。
久米忠史プロフィール
1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。
公式サイト「奨学金なるほど!相談所」
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