2013年01月25日
全国各地の法律家や学者が参加した奨学金問題に関する全国会議が発足するようです。
僕の方にもHPを通して毎月50人以上の方から相談を寄せられますが、なかには深刻な方もおられます。しかし、弁護士に相談するにも敷居が高く感じられ、自治体の無料法律相談に行っても適確なアドバイスが得られないことが多いようです。やはり奨学金問題に精通した法律家の数が少ないのでしょうね。
そういう意味でも今回のことは多くの人にとって朗報ではないでしょうか。
東京新聞(中日新聞)2013年1月24日の記事より
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大学卒業後に奨学金の返済で苦しむ若者が多い現状を打開したいと、全国各地の法律家や学者らが、三月にも「奨学金問題対策全国会議」(仮称)を設立する。返済困難者の救済だけでなく、奨学金制度の抜本的な改善を求める運動を展開する方針だ。 (白井康彦)
会社員の平均給与の減少など家計の悪化が目立ち、大学生の奨学金利用者の割合は年々上昇。今は約五割に達している。卒業後、日本学生支援機構への返済が遅れている人も増え続け、二〇一二年三月末で約三十三万人に及ぶ。
今後は、大学卒の男女が結婚した場合、およそ四分の一の夫婦は、二人とも奨学金を返済していくことになる。合計の返済月額は、二万~四万円程度の夫婦が多くなりそうだ。
全国会議の代表幹事の一人に就任予定の大内裕和・中京大国際教養学部教授は「奨学金の返済ができるのか、という心配で結婚できなくなったペアの話も聞く。奨学金問題も一因に、少子高齢化が加速しかねない」と訴える。
生活が厳しい家庭から大学に入学し、卒業後に非正規労働に就職したようなケースはさらに深刻だ。毎月十万円を四年間借りて、年利3%の金利で二十年間で返済するケースでは、返済総額は約六百四十六万円にもなる。大内さんは「非正規労働に就職した場合は、返済がかなり難しいのが現実」と説明する。
全国会議の事務局長は、日本弁護士連合会貧困問題対策本部に所属する岩重佳治弁護士が務める予定。岩重さんはこの十九日、東京都内で開かれた消費者問題のリレー報告会で、これまでの経緯などを報告。十二日の大阪市内の会合では、多重債務問題に取り組んできた全国各地の法律家や市民団体幹部らと、今後の活動の進め方について協議した。
岩重さんは「これまで奨学金返済に苦しむ人への支援活動は、教育現場に関わる労働組合などが中心だったが、多重債務を抱えているケースも少なくなく、法律家などがしっかり関わっていくべきだ」と強調。法律家らが賛同した。
これまでは、給付型の導入や無利息タイプの拡大などを求めて、労組などが中心の「奨学金の会」「奨学金連絡会」といった団体が国などに要望活動をしてきた。奨学金の会の関係者は「全国会議とはしっかり連携していきたい」と話す。
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明日、1/26(土)は「奨学金の会」結成5周年のシンポジウムが開催されます。
僕も取材を兼ねて聴講させて頂くつもりです。
奨学金問題は単に教育行政の問題だけでなく、雇用問題、少子化問題など日本の根幹に関わる様々な問題と連動しています。
そうは言っても、保護者の収入が減少しているのにも関わらず学費が高額となった現在では、進学するために奨学金を借りざるを得ない現実があります。
僕ができることとして、情報弱者が損をしないためにも、奨学金のポイントと注意点をキチンと理解したうえで進学することの重要性を伝えていこうと思います。
一歩一歩、少しずつでも奨学金問題が解決に向かうことを願っています。
久米忠史プロフィール
1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。
公式サイト「奨学金なるほど!相談所」
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