2013年03月17日
文部科学省が新たな「所得連動型返済奨学金」の創設準備に入ったようです。
この奨学金の特徴は、借りた総額ではなく、本人の所得によって月々の返済額が決まるというもの。
先日のブログにも書きましたが、昨年度から導入された「所得連動返還制度」は、“第一種奨学金の利用者に限定されるうえ、さらに本人ではなく保護者の所得が低い家庭の奨学生のみが対象となる”という、あまりにも不完全で抜け穴だらけのものです。
日本育英会から日本学生支援機構に奨学金事業が引き継がれてからは、明らかに国は奨学金を金融事業として位置づけ、民間金融機関の手法が取り入れられてきました。
現在、日本学生支援機構では早期回収を促進するために、回収業務を民間事業者に委託しています。
信じられないでしょうが、武○○やア○○ルの元社員なども奨学金の回収業務に携わっているのです。
「悪法もまた法なり」
日本の奨学金が貸与制である以上、奨学金は返済しなくてはなりません。
しかし、「返したくても返せない人」には柔軟な対応が必要です。
あたり前ですが、奨学金はサラ金とは違うのです。
今回準備に入った「所得連動型返済奨学金」は、その対象を奨学金予算の70%を占める第二種奨学金の利用者にまで拡大しなければ意味がありません。
というのも、明らかに返済に苦しんでいるのは第二種奨学金の利用者の方が多いと感じているからです。
また、2017年度の利用者からではなく、出来るだけ遡って対象枠を広げて欲しいと願います。
財務省とのバトルは我々一国民には想像できないほど大変なことでしょうが、文科省にはぜひ頑張って欲しいと思います。
国土強靭化政策も大切だと思いますが、日本の若者強靭化政策はもっともっと大切なはずです。
甘えた若者を擁護するつもりは毛頭ありませんが、必死で頑張ろうとする若者は応援しなくてはなりません。
新たな「所得連動型返済」制度は、国の教育制度の進化の大きな一歩であって欲しいと思います。
<3/15の講演会:前原高校の生徒たち>
「君たちが日本の将来を担っているんだよ!! 世の中は理不尽だと思う。だからこそ、生きる力をつけてね!!」
久米忠史プロフィール
1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。
公式サイト「奨学金なるほど!相談所」
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