2012年11月06日
「ストップ!奨学金のローン化」を掲げて地道に活動している奨学金の会ってご存知でしょうか?
事務局は日本学生支援機構の労働組合内に置かれており、岡村稔さんという方が事務局長を務められています。
岡村さんは日本学生支援機構労働組合の書記次長という立場にありながら、給付制奨学金の実現や高等教育の無償化など、市民目線に立って現行制度の問題点を改善すべく、精力的に活動を続けられています。
僕が岡村さんの存在を知ったのは数年前に遡ります。
奨学金を柱とする進学費用対策の講演活動を行っているうちに、「無責任に子どもたちに借金を押し付ける形で本当に良いんだろうか」と疑問を持ち始めたそんな時期でした。
今でこそ、奨学金の返済問題について時々メディアで取り上げられるようになりましたが、ほんの4~5年前まではそのような報道は皆無であったと言っていいでしょう。
某所で行われた岡村さんの講演内容をネットで読んだ時、「同じように危機感を持っている人がいるんだぁ」と嬉しくなりました。同時に、「この方、日本学生支援機構労働組合の書記でありながら、日本学生支援機構を批判しても大丈夫なのか」と余計な心配までしてしまいました(笑)。
その後、奨学金問題を掘り下げて調べていく中で、当然、各種媒体に寄稿された岡村さんの原稿を読む気機会が増えてきます。
僕ごときが言うのもおこがましいのですが、精緻なデータをもとにした情報だけでなく、市井の人々に向けて分かりやすく問題点を指摘する岡村さんの原稿が最も心に響きました。
残念なことですが、主要政党、財界、関係省庁全てが、学費負担の軽減、給付制奨学金の実現には背を向けているか、消極的なのが実情です。
岡村さんは言います。「保護者や学生自らが声を上げることが必要」。
僕も同感です。今も昔も政治家は世論(票)に迎合するもの。
「あなたの子どもが、学生時代に500万円~1000万円の借金を背負ってマイナスから社会人生活をスタートすることに親として賛成できますか?」
「あなたが新社会人の時に、同額の借金を背負っていても、同じように結婚して、子どもを産んで育てることができたと思いますか?」
このように、保護者世代に響く訴え方が必要であると思いました。
ご興味のある方は、奨学金の会のホームページをじっくりとご覧になってください。
僕も会員になりました(笑)。
「会のニュース」は、ためになる情報が分かりやすく紹介されています。
久米忠史プロフィール
1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。
公式サイト「奨学金なるほど!相談所」
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