2013年08月16日
現在、公立高校の授業料の無償化に所得制限の導入を政府は検討していますが、同時にそれにより「給付制奨学金」等の財源を確保し、公私立高校間の学費負担格差の解消を目指しているようです。
産経ニュース 2013年8月15日の記事より
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低所得層、給付型奨学金新設、中所得層、支援金6万円増額
公立高校授業料無償化の見直しをめぐり、政府・与党が所得制限導入で捻出される財源で低所得世帯の私立高校授業料を実質無償化する案を検討していることが14日、分かった。私立高校生を抱える世帯には現在、公立高授業料と同額の「就学支援金」が支給されているが、低所得層については支援金増額と「給付型奨学金」(新設)を組み合わせて実質無償化とする。中所得層への支援金も年約6万円増額し、公立、私立間の授業料格差の解消を図る。
自民、公明両党は実務者協議で「地方では公立に進めず私立に進学する生徒も多い」(自民党中堅)との観点からこうした方針を確認しており、平成27年度からの実施を目指して、政府・与党が具体案を検討している。
(中略)
250万円までの層には返済義務がない給付型奨学金も新設し、私立高校生に年14万円、公立高校生に年13万円を支給する。
これにより、250万円までの層では私立授業料の年間平均約38万円が実質的に無償化されるのに加えて、学用品など授業料以外の負担も軽減される。
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地方の高校生とその家族の負担を考えるならば、高校が実質義務教育化している現在では、当然、取り組むべき課題だと思います。
地方の高校進学と言えばもうひとつ大きな問題があります。
離島や過疎地域などでは、そもそも通学圏内に高校が無いために、地元の中学を卒業すると遠方の高校に1人暮らしをしながら通わざるを得ない高校生が数多くいます。
そのような家庭には、地元行政から補助金が出ているのですが、その金額が少ないために家族の大きな負担になっているという報道を何度か目にしました。
離島や僻地の高校生の生活を支援する予算は、今回の全体予算からみると大した金額にはならないはずです。
政府の検討チームには、「就学支援金」だけでなく、ぜひ離島や僻地の高校生のためにの「生活支援金」の増額も盛り込んで頂きたいと願っています。
久米忠史プロフィール
1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。
公式サイト「奨学金なるほど!相談所」
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