奨学金なるほど!相談所

久米忠史の奨学金ブログ

2020年08月16日

修学支援新制度・入学金&授業料減免の仕組みを誤解していました!

2020年4月から始まった高等教育の修学支援新制度は、給付型奨学金と学費(入学金と授業料)の減免の二本柱で構成されていますが、学費の減免に関して私だけでなく多くの高校教員も誤解しているかもしれません。

「高等教育の修学支援新制度」の学費の減免に関する文部科学省の該当ページでは以下のように記載されています。

高等教育の修学支援新制度の学費の減免上限額
◆国公立大学の場合
入学金/約28万円 授業料/約54万円
◆私立大学の場合
入学金/約26万円 授業料/約70万円

文部科学省 高等教育の修学支援新制度について

給付型奨学金は、日本学生支援機構の案内書で世帯収入(第一、第二、第三区分)に応じた具体的な以下のように支給額が示されています。

一方、学費の減免に関しては、満額支援となる第一区分の上限額しか見当たりません。また、100大学以上のHPを確認しましたが、修学支援後の学費の減免額を記載している大学はほとんど発見できませんでした。

そんななか、北海道教育大学(国立)では区分ごとの具体的な減免額を記載しています。
入学料・授業料の免除・徴収猶予(令和2年度入学学部学生)

“減免上限額”の解釈を誤解していませんか?

ほとんどの国立大学、多くの公立大学では学費は同額ですが、私立大学や専門学校では学校ごとにさまざまです。

私立大学の第一区分の学費減免の上限額をいま一度見てみます。

◆私立大学の場合(第一区分)
入学金/約26万円 授業料/約70万円

北海道教育大学の例から考えると、私立大学でも入学金と授業料は先の上限額から区分に応じて3分の2、3分の1が減額されると思う人が多いはずです。私もそのように理解していました。

入学金が26万円であれば問題ないのですが、地方の私立大学では入学金が10万円台というところも少なくありません。

その点に関する2020年3月に文科省が大学に宛てた「高等教育の修学支援新制度・授業料等減免事務処理要領」からの当該箇所の抜粋です。

******************************************************************************
③住民税非課税世帯に準ずる世帯(第二、第三区分)の学生等に対する減免額
~中略~
もとの授業料等が減免上限額未満である場合は、上記の表にある減免上限額に対する2/3と1/3の額とはならないことに留意すること。
例えば、私立大学の授業料減免の上限額は70万円であるところ、A私立大学の授業料が60万円であった場合、3分の2の支援区分の減免額は40万円(=60万円×2/3)、3分の1の支援区分の者の減免額は20万円(=60万円×1/3)となる。
******************************************************************************

つまり、大学によって決められた入学金や授業料が上限額よりも小さい場合は、その額に対する「満額減額」「3分の2減額」「3分の1減額」となるのです。

したがって、入学金が10万円の場合は、減額後の納付額は以下の金額となります。

通常の入学金(100,000円)
第一区分では(0円)
第二区分では(33,300円)
第三区分では(66,600円)

<誤解していた解釈であれば>
入学金26万円の2/3は173,200円、1/3は86,700円なので、第一・第二区分も納付額は0円、第三区分は13,300円となりますが、これは間違いであって上記の金額が正しい納付額となります。

今年の日本学生支援機構の予約採用で申込んだ人には10月~12月にかけて採用候補決定通知が手渡される予定です。

そこで、修学支援の採用が確認できた生徒と保護者は学費負担の軽減が保証されるので安心する家庭も多いでしょう。私の知識の乏しさゆえと指摘されれその通りであり反省するしかありませんが、同じように誤解している保護者や高校教員が多くいるのではないかと想像します。

意外に思われるかもしれませんが、修学支援採用者に対する学費の減免は各大学が負う“義務”に位置付けられています。

修学支援による具体的な納付額をそれぞれの大学のHPでキチンと掲載するように文科省から全大学に要請いただくだけで、多くの高校教員や保護者の誤解や不安が解消されるのではないかと思います。

カテゴリ:奨学金ニュース|日時:2020年08月16日18:18|コメント(3)

コメント/トラックバック (3件)

今春大学に入学をした息子がおり、母子家庭で、給付型奨学金を申請しましたが、家計基準で不採用になりました。私の年収は360万円です。
シュミレーションを行うと1/3支援となるはずなのですが、なぜ不採用になったのでしょうか?
離婚は昨年10月末にしています。前々年度の所得の時に寡婦控除がついていないのでしょうか?なぜ、不採用になったかをJASSOに問い合わせしても答えてくださらないので、可能性がある理由がわかればアドバイスして頂きたいです。

投稿日時: 2020.08.17@15:36   投稿者: 式部 美里

式部様
ブログをお読み頂き有難うございます。何人かの保護者から同様の相談を受けました。修学支援の採用に関しては世帯の収入のみで判断されるので、当該年収を基に機械的に判断されたのだと思います。

利用者の立場からすれば納得できない話だと思いますが、JASSOは返還以外の相談事は在籍学校に聞いてください、という体制となっています。

以前とは異なり今度の修学支援は在学採用でも申請できることになりました。ですので、お子さんが在籍する大学の学生課に、次年度の在学採用での申請について相談してみては如何でしょうか。

宜しくお願いします。久米忠史

投稿日時: 2020.08.17@17:12   投稿者: 匿名

式部様への追記(内容更新)

給付奨学金の不採用の事由が「家計基準を満たしていないため」となっており、納得できない場合は不服審査請求ができるようです。

機構によるQ&Aには次の様に記載されています。

奨学金相談センター(0570-666-301、平日9時~20 時)にご照会いただくようお願いします。納得いただけない理由等をお聞きしたうえで、不服審査請求などのご案内をさせていただきます。

また、9月にも給付奨学金の募集予定があるようなので、募集時期等について在籍大学に問い合わせてみては如何でしょうか。

投稿日時: 2020.08.18@17:12   投稿者: 久米忠史

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久米忠史プロフィール

1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。

公式サイト「奨学金なるほど!相談所」

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