奨学金なるほど!相談所

久米忠史の奨学金ブログ

2019年04月23日

来年始まる 給付奨学金の拡充&学費減免措置

現在の高校3年生が進学する2020年の4月から奨学金に関する制度が大幅に変わります。
それらの財源は、10月から10%となる消費増税を基にしています。

具体的には、住民税非課税世帯に対する給付型奨学金の拡充と学費の減免措置ですが、現在検討されている内容について解説します。

◆給付型奨学金
2017年度の入学者より、非課税世帯に対する給付型奨学金が導入されています。
現行制度と次に始まる拡充との違いを整理します。

<現行給付型奨学金での給付年額>
国公立/自宅生(24万円)自宅外生(36万円)
私 立/自宅生(36万円)自宅外生(48万円)

<新・給付型奨学金での給付年額>
国公立/自宅生(約35万円)自宅外生(約80万円)
私 立/自宅生(約46万円)自宅外生(約91万円)

これを見ると、これまでの給付額とは全く次元が異なることがわかります。
しかも、ポイントはこの給付型奨学金は「生活費支援」に位置づけられている点です。

そのため、これに加えて、入学金や授業料などの学費の減免措置も同時に導入される予定です。

◆学費減免の上限年額
<国公立>
大学:入学金(約28万円)授業料(約54万円)
短大:入学金(約17万円)授業料(約39万円)
専門:入学金(約7万円)授業料(約17万円)

<私立>
大学:入学金(約25万円)授業料(約70万円)
短大:入学金(約25万円)授業料(約62万円)
専門:入学金(約16万円)授業料(約59万円)

学費の減免措置は全ての大学・短大・専門学校に認められるわけではなく、文部科学省が求める要件を満たし認定を受ける必要があります。学費減免認定校は2019年の8月頃に国または自治体により公表される予定です。

これらの新制度を見ると、非課税など特に経済的に厳しい家庭にとっては朗報です。ただし、多数を占めるそれ以外の家庭は、これまで通りの貸与型奨学金に頼らざるを得ません。

この給付型奨学金の拡充や学費の減免措置の創設の影響で、2019年の予約採用のスケジュールが大幅に後ろ倒しされます。
そのことにより、様々な影響が出ることも懸念されています。

年々複雑化する奨学金制度を分かりやすく説明することの重要性が増していますね。

カテゴリ:奨学金ニュース|日時:2019年04月23日20:31|コメント(1)

コメント/トラックバック (1件)

新聞奨学制度を利用しようと思っているのですが、自分にクレジットカード、携帯代の滞納があるのですが
その場合新聞奨学制度を利用できますか?

投稿日時: 2019.10.2@01:55   投稿者: はまだ

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久米忠史プロフィール

1968年生まれ 東京都在住
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で始めた奨学金講演会が「分かりやすい」と評判を呼び、 全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。

公式サイト「奨学金なるほど!相談所」

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