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久米忠史のコラム

久米忠史のコラム

【vol.009】 久米忠史の奨学金コラム [2011.02.14]

奨学金と教育ローン ~利息の節約術~

日本のほとんどの奨学金は返済義務がある「貸与型」となっています。 つまり、実質は子供たちが借りる教育ローンであると言ってもいいでしょう。
しかも国の奨学金である日本学生支援機構の第二種奨学金は利息が加算されます。 実は日本の奨学金の主体はこの第二種奨学金であり、無利子の第一種の3倍の規模になっているのです。

国公立ならまだしも、学費の高い私立の大学や専門学校へ進学した場合、奨学金と教育ローンの両方が必要となるケースが多々あります。

多くの保護者は、子供の負担を少しでも減らしたいと考え、奨学金を必要最小限にして不足分を金融機関の教育ローンで補おうとします。
子を思う親の気持ちとすれば当然でしょうね。

いずれにしても、進学費用対策に親子共々負担を負わなければならないのです。
そこで、見落としがちな利息について考えたいと思います。
ポイントは、第二種奨学金と教育ローンの利率の違いです。

第二種奨学金の利息は「固定型」「変動型」のいずれかを選択しなくてはなりませんが、どちらもその上限は3%とされています。奨学金の利息は、在学中は無利息で卒業後の返済時に利率が確定し利息が発生し始めるのですが、ここ数年間は固定=1.5%程度、変動=0.5%程度の利率で推移しているのが実情です。

それに対して教育ローンの利息は借りた時点から発生します。さらに最も利率が低いとされる日本政策金融公庫がおこなう国の教育ローンの最新利息が2.75%(2月9日現在)です。銀行や信販系の教育ローンなら4~8%台でしょうか。

つまり、金融機関の教育ローンと比べて奨学金の利息の方が圧倒的に低いのです。
しかも教育ローンとは異なり、奨学金の利息の上限は3%までと保護されています。

■奨学金と教育ローンの特徴を整理すると
<奨学金>
①在学中は無利息
②利息の上限は3%
③繰上げ返済は手数料なし

<教育ローン>
①借りた時点から利息が発生
②利息の上限制限はなし
③繰上げ返済は手数料が必要

実に、利率だけでなく、利息が掛かる期間や繰上げ返済の場合の手数料など、奨学金は教育ローンよりも利用者に対して優しい仕組みになっているのです。 進学費用を親子で返していく場合、教育ローンよりも奨学金のウェートを増やした方がメリットは多いことがご理解頂けましたでしょうか。

奨学金と教育ローンの特徴を理解したうえで上手く活用し、親子で将来の負担を少しでも軽減してもらえればと思います。

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