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久米忠史のコラム

久米忠史のコラム

【vol.014】 久米忠史の奨学金コラム [2011.12.09]

大学生の就職難は当然の結果!?

コラムニストの勝谷誠彦さんが某ラジオ番組で発言した内容。 「大学生の就職が厳しいのはあたり前。何故なら20年前と比べて100万人も大学生が増えているのだから」。

なるほど!! 目からウロコ、灯台下暗し、とはこのことか。
早速調べてみたところ。

文部科学省の統計による大学生数の推移
1985年 184万人
2010年 285万人

1985年とはドル高を抑制するためにG5によるプラザ合意がなされた年。日本にとってはいわゆるバブル時代の幕開けでした。 その当時の大学生の数が184万人であるのに対し、2010年には285万人。確かに25年間で100万人以上大学生が増加しています。

一方、労働者人口を政府統計局のホームページで調べてみると

<20歳~24歳の労働者人口:労働力調査 基本集計>
1982年 787万人
2010年 676万人

こちらは約30年で100万人以上減少していることがわかります。

大雑把に総括すると、大卒の人は100万人増えたけど、同年齢世代の求人数は100万人減っている訳なので、大卒の就職が厳しくなるのは当然ですよね。
新聞やテレビでは毎年のように大卒就職氷河期と煽っていますが、実は社会構造そのものが問題の根本にあるのでしょう。

よりシビアな見方をすると、大卒は高卒よりも基本給与が高く設定されていることが多いだけに、高卒と比べてより個人の能力が求められる可能性が高いはずです。

ホワイトカラー、ブルーカラーという言葉が通用した時代は、ホントのところは錯覚であるとしても“大卒=高能力”と個人も企業も信じていたかも知れません。
しかしながら、アジア各国の台頭など日本を取り巻く環境は、この20~30年で大きく変化しました。

製造業の空洞化やIT化、国際化など、社会構造が目まぐるしく変わっているにも関わらず、教育業界は一般社会とは別次元で存在し、AOや推薦などの学力(社会人としての基礎体力)を問わない入試が主流になっていることに危機感を持ってしまいます。

最近、某有名大学の担当者から聞いた話ですが、ここ数年、卒業時の成績優秀表彰者はアジア系の留学生が上位を占めているそうです。
大学生を採用する企業側も面接時に、志望者が学力試験を伴わないAOや推薦で入学したのか、一般入試の選抜を受けてきたのかをヒアリングするケースが出てきているとも聞きました。

時代が勝手に後押ししてくれた高度成長が再び訪れることはないでしょう。
一昔前には通用した学歴や学校歴ではなく、本物の実力、能力を持った人財が必要とされています。

大学生の2人に1人が奨学金という借金を背負って進学している今。
奨学金を単なる借金に終わらせるのではなく、将来の自分に対する投資であると覚悟し、努力し続ける若者を応援したいと心から思います。

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