【vol.024】 久米忠史の奨学金コラム [2013.02.25]
アメリカの学費ローンの残高が1兆ドルを突破!!
広瀬隆雄さん(Market Hack編集長)がBLOGOSに寄稿された記事に惹き込まれました。
次のサブプライム・ショック~曲がり角に立たされている米国の大学教育~
広瀬さんの記事によると、アメリカの大学生の学費ローン負担率が過去7年間で58%も増加し、
ついに1兆ドルを突破したとのこと。
しかも学費ローンの負担者の15.1%が返済不能に陥っているそうです。
尊敬するジャーナリスト・堤未果さんの名ルポ 「貧困大国アメリカ(岩波新書)」でも学生ローンに苦しむアメリカの若者の実情が詳しくレポートされており、 教育までも商品化する行き過ぎた自由主義社会の結果を知って愕然としたことを思い出します。
広瀬さんは、近い将来学費ローンのデフォルトが急増することで、第二のサブプライムショックとなる可能性を示唆しています。 これは決して対岸の火事ではありません。
大学の大衆化、学費の高騰、奨学金(学生ローン)の急増、若者の雇用の不安定化・・・・。 アメリカと同じ轍を日本も踏んでいるのではないでしょうか。
僕は、毎年1万人以上の保護者や受験生に進学費用対策の話をしています。 個人的には、生きていくうえで大学進学が絶対必要とは思っていませんし、実際、親族にはそのようにアドバイスしています。
とは言っても、大学や専門学校への進学を志し、高額な進学費用に悩む家庭にとっては、奨学金や教育ローンが必要不可欠であり、 借りざるを得ないのが実情でしょう。
しかしだからこそ、奨学金のメリットとデメリットを正確に伝え、学力を上げることの有利性を説くことが重要であると思っています。
大卒があたり前の時代になったからこそ、“大きな借金までして何のために進学するのか”を親子だけでなく、
学校や社会でも皆で議論することが必要な時代になりました。
あまり時間は残されていません。